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国立国際医療センターで手術後死亡、遺族提訴「医療事故制度に課題」

国立国際医療研究センター=東京都新宿区
国立国際医療研究センター=東京都新宿区

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東京都とうきょうと新宿区しんじゅくく国立こくりつ国際こくさい医療いりょう研究けんきゅうセンターせんたー病院びょういん男性だんせい当時とうじ72)が心臓しんぞう手術しゅじゅつけ、心筋梗塞しんきんこうそくこうそくこうそく)などをおこしてその死亡しぼうしたのは、手術しゅじゅつ原因げんいんだったとして、男性だんせい遺族いぞくセンターせんたー当時とうじ執刀しっとう相手あいて取り、8629まんえん損害そんがい賠償ばいしょうもとめて8にち東京とうきょう地裁ちさい提訴ていそした。

訴状によると、遺族いぞく病院びょういんがわ当初とうしょ、「予期よきせぬ死亡しぼう事故じこ」を調べるしらべるくにの「医療いりょう事故じこ調査ちょうさ制度せいど」にもとづく医療いりょう事故じことして、第三者だいさんしゃ機関きかん医療いりょう事故じこ調査ちょうさ支援しえんセンターせんたーへのとどもとめたが、病院びょういんがわは「合併症がっぺいしょうであり原因げんいん究明きゅうめい必要ひつようない」としておうじなかった。病院びょういんがわ対応たいおう疑問ぎもんする日本にほん心臓しんぞう血管けっかん外科げか学会がっかい理事長りじちょう学会がっかい誌に寄稿きこうするなどし、2022ねん10がつになってどうセンターせんたーとどたという。

男性には心臓しんぞうべんじず血液けつえき逆流ぎゃくりゅうする「僧帽そうぼうべん閉鎖へいさ不全ふぜんしょう」という持病じびょうがあった。20ねん12がつ同病院どうびょういん切開せっかい範囲はんいちいさい低侵襲ていしんしゅう心臓しんぞう手術しゅじゅつ(MICS)をけたが、心筋梗塞しんきんこうそくこうそくこうそく)や循環じゅんかん不全ふぜんなどをこして都内とないべつ病院びょういん搬送はんそう。21ねん2がつ多臓器たぞうき不全ふぜんにより死亡しぼうした。

心筋しんきん保護ほごするための保護ほごえきは30ぷん以内に投与とうよするのがのぞましいとされるが、手術しゅじゅつでは8かい投与とうよのうち6かいは30ぷんえ、最長さいちょうで46ぷんいていた。また、保護ほごえき投与とうよするさいカテーテルかてーてるない空気くうきかないとえきれられず心筋梗塞しんきんこうそく原因げんいんになるとされる。当時とうじ執刀医しっとういすくなくとも3かい空気くうきかずにえき注入ちゅうにゅうした過失かしつがあると主張しゅちょうしている。

記者会見かいけんした代理人だいりにん弁護士べんごしは「指導しどう的な立場たちばにある国立こくりつ病院びょういん対応たいおうとして遺憾いかんおもう。医療いりょう事故調査ちょうさ制度せいど課題かだいともえる事案じあんだ」とはなした。国立こくりつ国際こくさい医療いりょう研究けんきゅうセンターせんたー取材しゅざいたいし「訴状そじょうとどいていないので、コメントコメントひかえる」とした。(米田よねだ悠一郎ゆういちろう

Vocabulary

Word (Furigana)JLPT LevelPart of SpeechMeaning
受ける (うける)N4Verbto receive
起こす (おこす)N3Verbto cause
死亡する (しぼうする)N3Verbto die
提訴する (ていそする)N1Verbto file a lawsuit
調べる (しらべる)N4Verbto investigate
相手取る (あいてとる)N1Verbto sue
求める (もとめる)N3Verbto seek
届け出る (とどけでる)N2Verbto report
応じる (おうじる)N2Verbto comply
疑問視する (ぎもんしする)N1Verbto question
寄稿する (きこうする)N1Verbto contribute
搬送する (はんそうする)N2Verbto transfer
投与する (とうよする)N1Verbto administer
注入する (ちゅうにゅうする)N1Verbto inject
課題 (かだい)N3Nountask/challenge
代理人 (だいりにん)N2Nounrepresentative
対応 (たいおう)N3Nounresponse
事故 (じこ)N4Nounaccident
制度 (せいど)N2Nounsystem
保護 (ほご)N2Nounprotection
範囲 (はんい)N3Nounscope
循環 (じゅんかん)N1Nouncirculation
多臓器 (たぞうき)N1Nounmulti-organ
空気 (くうき)N3Nounair
代理人 (だいりにん)N2Nounrepresentative
事案 (じあん)N1Nouncase
取材 (しゅざい)N1Nouncoverage
訴状 (そじょう)N1Nouncomplaint
執刀医 (しっとうい)N1Nounsurgeon

Grammar and Sentence Structure

  1. 男性には心臓の弁が閉じず血液が逆流する「僧帽弁閉鎖不全症」という持病があった。

    • Grammatical points: Relative clause, nominalization
    • Structure: The sentence describes a pre-existing condition of the man, using the relative clause “男性には心臓の弁が閉じず血液が逆流する” to modify the noun “持病.” The nominalization “僧帽弁閉鎖不全症” functions as the object of the verb “あった.”
  2. 20年12月、同病院で切開の範囲が小さい低侵襲心臓手術(MICS)を受けたが、心筋梗塞(こうそく)や循環不全などを起こして都内の別の病院に搬送。

    • Grammatical points: Temporal expression, causative form
    • Structure: The sentence describes the outcome of the heart surgery performed in December of the 20th year. The causative form “起こして” is used to indicate that the heart surgery led to the occurrence of “心筋梗塞や循環不全” and the patient being transferred to another hospital.
  3. また、保護液を投与する際、カテーテル内の空気を抜かないと液が入れられず心筋梗塞の原因になるとされる。

    • Grammatical points: Conditional clause, passive form
    • Structure: The sentence presents a conditional statement regarding the administration of the protective fluid, using the conditional “カテーテル内の空気を抜かないと” to indicate the condition under which the fluid cannot be administered and may become the cause of “心筋梗塞.” The passive form “なる” is used to express the outcome of the condition.

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