普通のサラリーマン、愛され20年　ラジオドラマ「あ、安部礼司」

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注目ちゅうもくのラジオらじお番組ばんぐみやポッドキャストぽっどきゃすとを紹介しょうかいする「WAVEwave」のコーナーこーなー。今回は放送ほうそう開始から20にじゅう年目ねんめに入ったはいったTOKYOとうきょう FMえふえむのラジオドラマらじおどらま「ああ、安部あべ礼司れいじ」をご紹介ごしょうかいします。

日曜にちようの夕刻ゆうこく、ちょっぴり憂鬱ゆううつな気分きぶんでラジオらじおをかける。ラジオドラマらじおどらま「あ、安部あべ礼司れいじ」（TOKYOFMとうきょうえふえむ、日曜にちよう午後5ご時じじ）。古本屋ふるほんやが並ぶならぶ東京とうきょう・神田かんだ神保町じんぼうちょうの中堅ちゅうけん企業きぎょうが舞台ぶたいのサラリーマンさらりーまんドラマだ。

主人公しゅじんこうの安部あべ礼司れいじは、出世しゅっせを極めるきわめる某ぼう人気にんき漫画まんがの主人公しゅじんこうとは対極たいきょくの普通ふつうのサラリーマンさらりーまん。「並みなみの」を意味いみする英語えいごの「アベレージあべれーじ」そのままに、出世しゅっせと無縁むえん。優柔不断ゆうじゅうふだんで人ひとが良くよく苦労くろうを押しつけられるおしつけられるものの、純粋じゅんすいで時ときに「信念しんねんの人ひと」となるなる一面いちめんも。人知れずひとしれず相手あいてを気遣うきづかう人柄ひとがらから信望しんぼうが厚くあつく、皆みんなに愛されているあいされている。

そんなそんな安部あべ礼司れいじと職場しょくばの同僚どうりょうや家族かぞくが織りなすおりなすコメディータッチこめでぃーたっちのストーリーすとーりーはどこかどこか温かくあたたかく、「そうそうだよね」とうなずいたりうなずいたり、励まされたりはげまされたり、勇気づけられたりゆうきづけられたりするものものばかりだ。

たとえばたとえば、部長ぶちょうが部下ぶかを呼びよびとめてさりげなくさりげなく励ますはげます時の会話かいわ。

「ヒマワリひまわりってさ、花はなが開ひらくとずっと東ひがしを向むくんだって。あんなあんなにお日さまおひさまを追いかけるおいかけるていたのに。ああ、でも、ヒマワリひまわりにはそれそれが幸せしあわせか」

そして流れるながれるMr.Childrenみすたー・ちるどれんの「himawariひまわり」。ツボつぼに刺さるささる選曲せんきょくがまたいいいいのだ。

「日曜にちよう夕方ゆうがたの憂鬱ゆううつ」には、意外いがいなほど「安部あべ礼司れいじ」が効きく。

普通ふつうのサラリーマンさらりーまんが荒波あらなみにもまれながらも前向きまえむきに生きるいきる姿を描いたえがいた「ああ、安部あべ礼司れいじ」は今年ことしで20にじゅう年目ねんめに入ったはいった。

音楽おんがくやトークとーく番組ばんぐみが全盛ぜんせいの時代じだいにあって、ラジオドラマらじおどらまがこれこれだけ長くながく続くつづくのは異例いれいだ。堀内ほりうち貴之たかゆき総合そうごうプロデューサーぷろでゅーさーがこう話すはなす。

「時代じだいの先端せんたんを行いくエッジえっじの効きいた番組ばんぐみはカッコかっこよくて満足度まんぞくどは高たかいが、誰だれかに届とどく喜びよろこびを考かんがえた時とき、ドラマどらまならばできるできると思おもいました」

日曜日にちようびのたそがれたそがれ時時どき、憂鬱ゆううつになっているサラリーマンさらりーまんの背中せなかをポンぽんと押おしてあげたいあげたい。優やさしくて家庭的かていてきで安心あんしんできる。そんなそんな安部礼司あべれいじのような人ひとが部署ぶしょに一人いちにんいるだけでラクらくに生きられるいきられる。

「出世しゅっせドラマのようなパンチ力ぱんちりょくはないけれど、毎日まいにち、顔かおを合わせるあわせる仲間なかまといいいい関係かんけいで生きるいきることのほうが大事だいじだと思うおもうんです」

番組ばんぐみは6ろく月8はち日にち 、放送ほうそう千回せんかいを迎むかえた。「子どもこどもの頃ころ、親おやが運転うんてんする車くるまの中なかで聞きいていたリスナーりすなー」も、今いまは社会人しゃかいじん。一緒いっしょに年としを重かさねてきたからこそうなずけるうなずけるセリフせりふが随所ずいしょにあるある。

平凡へいぼんの中の幸せしあわせを地道じみちに描き続けるかきつづけるドラマどらまは、強いつよい。

Vocabulary

Grammar and Sentence Structure

1. 「優柔不断で人が良く苦労を押しつけられるものの、純粋で時に「信念の人」となる一面も。」

   • Grammatical Points:

     • 「ものの」: This is a conjunction that means “although” or “even though.” It is used to express a contrast between two clauses.
     • 「一面も」: This phrase means “also has a side/aspect,” indicating that the subject has multiple characteristics.

   • Structure:

     • The sentence contrasts two aspects of the protagonist, 安部礼司. The first part describes him as indecisive and kind, leading to him being burdened by others. The second part introduces another aspect of his character, stating that he is pure and sometimes becomes a “person of conviction.” The use of 「ものの」 emphasizes the contrast between his weaknesses and strengths.

2. 「音楽やトーク番組が全盛の時代にあって、ラジオドラマがこれだけ長く続くのは異例だ。」

   • Grammatical Points:

     • 「にあって」: This phrase indicates a situation or context, often translated as “in the context of” or “in the era of.”
     • 「異例だ」: This means “is unusual” or “is exceptional,” used to highlight that something is not typical.

   • Structure:

     • The sentence sets up a context (the current era of music and talk shows being popular) and then states that it is unusual for a radio drama to continue for such a long time. The structure emphasizes the contrast between the popularity of other formats and the longevity of the radio drama.

3. 「平凡の中の幸せを地道に描き続けるドラマは、強い。」

   • Grammatical Points:

     • 「地道に」: This adverb means “steadily” or “diligently,” indicating a consistent and earnest effort.
     • 「描き続ける」: This verb means “to continue to depict,” showing ongoing action.

   • Structure:

     • The sentence presents a subject (the drama) that consistently depicts happiness found in the ordinary (平凡の中の幸せ). The use of 「強い」 at the end asserts that this quality of the drama makes it strong or impactful. The structure emphasizes the value of portraying simple happiness in a persistent manner.

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