児童と最後の茶摘み「寂しい」　全小中校「一貫化」構想の山口・光市

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山口県やまぐちけん光市ひかりし教育委員会きょういくいいんかいが、すべての市立しりつ小中学校しょうちゅうがっこうを中学校区ちゅうがっこうくごとに施設しせつ一体型いったいがたの小中一貫校しょうちゅういっかんこうにする構想こうそうを公表こうひょうしてから2年余ねんあまり。先陣せんじんを切きる大和やまと中学校ちゅうがっこう区くで再編さいへんの動きうごきが加速かそくしている。小学校しょうがっこう4校こうは来年度らいねんどから1校こうに統合とうごうされ、2028年度ねんどをめどめどに大和やまと中ちゅうにできる新校舎しんこうしゃで小中一体化しょうちゅういったいかが図はかられる見通みとおしだ。

◇だいあもんど

青空あおぞらが広がったひろがった10日にち、束荷つかり（小こ17人にん）の児童じどうらが「つかりつかりよりあいクラブくらぶ」のお年寄としよりりらの手ほどきてほどきで恒例こうれいの茶摘ちゃつみみを体験たいけんした。かごいっぱいに新芽しんめを摘つみ取とり、学校がっこうに戻もどって蒸むした後あと、ムシロむしろに広げてひろげてもむ作業さぎょうにも挑戦ちょうせんした。

地域から姿を消けしつつある茶ちゃ栽培さいばいを子供こどもたちに学まなんでもらおうと、お年寄としよりらが県けんの土地とちを借かりて茶ちゃの木きを植うえたのは30年ねんほど前まえ。初夏しょかの風物詩ふうぶつしになっていたが、今回こんかいが最後さいごとなった。作業さぎょう後ごのお礼おれいの会かいで、宇佐見寿乃うさみ ことの（ことの）さん（4年ねん）は「今いままでありがとうございました。おいしい束荷たばに茶ちゃができたら楽たのしく飲のみたいです」とあいさつあいさつした。

市内に五つある中学校区くのうち、再編の一番手が大和やまと中学校ちゅうがっこう区く。束荷に、塩田しおだ、三輪みわ、岩田いわたの4小しょうは今年度こんねんど末で閉校こうし、来年らいねん4月がつから岩田いわた小しょうの既存きぞん施設しせつを使つかって、小中しょうちゅう一貫校こう「やまとがくえん」の大和やまと小しょうに生うまれ変かわる。

大和やまと中なかのグラウンドぐらうんどに小中しょうちゅう一体いったいの新しん校舎こうしゃが完成かんせいするのはその3年後ねんごの見込みこみ。やまと学園がくえんは、まずは施設しせつを分離ぶんりしたままスタートすたーとを切きる。

束荷たばに小しょう、塩田しおだ小しょうから大和やまと小しょうへは約やく5キロきろの道みちのり。児童じどうたちは市しのスクールバスすくーるばすで通かようことになる。

大和やまと中なかに新しん校舎こうしゃが完成かんせいするのはそれほど先さきのことではない。にもかかわらず、4小しょうの統合とうごうを先行せんこうさせるのはなぜか。

市教委しきょういによると当初とうしょは新校舎しんこうしゃの完成かんせいを待まって小中しょうちゅうを一度いちどに統合とうごうする方向ほうこうで計画けいかくが進すすめられていた。

だが、光市ひかりし中心部ちゅうしんぶから離はなれた旧きゅう大和町やまとちょう地域ちいきでは児童じどうの減少げんしょうが深刻しんこくだった。束荷つか小こと塩田しおだ小こは今年度こんねんどの新しん1年生ねんせいがゼロ。1学級がっきゅう化や複式ふくしき学級がっきゅう化が進すすむ中なか、保護者ほごしゃらから早期そうきの統合とうごうを求もとめる声こえが多おおかったという。束荷つか小この保護者ほごしゃの女性じょせいは「もちろん少人数しょうにんずうの良よさもあるが、多おおくの人ひとと関かんわりわりを持もち、社会性しゃかいせいのある子こに育そだってほしい」と話はなす。

市内の全11じゅういち小学校の児童じどうは計けい1907人にん、全5ご中学校の生徒せいとは1027人にん（5月がつ1日にち現在げんざい）で、それぞれピークぴーくだった1980年代ねんだいの3分ぶんの1以下いかに減少げんしょうした。大和中学校ちゅうがっこう区くは児童じどう199人にん、生徒せいと127人にんで、新しん校舎こうしゃの完成かんせいが見込みこまれる28年度ねんどには児童じどう188人にん、生徒せいと94人にんに落おちこむ見通みとおししだ。

束荷たばに、塩田しおだ、岩田いわたの3小しょうは今年ことしで創立そうりつ150年ねん、三輪みわ小しょうは146年ねんの歴史れきしがある。長ながい間あいだ地域ちいきの核かくだった小学校しょうがっこうの閉校へいこうを惜おしむ声こえは少すくなくない。

束荷に小ではでわ茶摘つみのほか、40年ねん以上も続つづいたこいのぼりの掲揚けいようやホタルちょうちんちょうちん作りなど、折々おりおりの学校がっこう行事ぎょうじに地元じもとが関かんわってきた。茶摘つみに参加さんかしたお年寄としよりの女性じょせいは「子供こどもたちの笑顔えがおを見みるのが楽たのしみだった。寂さびしい」と涙なみだぐむ。「つかりよりあいクラブつかりよりあいくらぶ」の秋山あきやま孝たか会長かいちょう（79）は「時代じだいの流ながれで仕方しかたがない。最後さいごの茶ちゃ摘つみを束つか荷に小のいい思おもい出でにしてほしい」と話はなした。今後こんご、茶の木きを伐はつ採さいして県けんに土地とちを返かえすという。（三沢みさわ敦あつし）

◇まる

〈光市ひかりいちの小中しょうちゅう一貫いっかん化か構想こうそう〉児童じどう生徒せいとが減少げんしょうする中なかで一定いっていの規模きぼを確保かくほし、教育きょういく環境かんきょうを充実じゅうじつさせるのがねらい。モデルケースもでるけーすと位置いちづけられる「やまとやまと学園がくえん」を皮切かわきりに、第だい2期きとして「室積むろづみ学園がくえん」（室積むろづみ中ちゅう、室積むろづみ小しょう）と「島田川しまだがわ学園がくえん」（島田しまだ中ちゅう、島田しまだ・上島田かみしまだ・三井みつい・周防すおうの4小しょう）を、第だい3期きとして「光井ひかりい学園がくえん」（光井ひかりい中ちゅう、光井ひかりい小しょう）と「あさなえあさなえ学園がくえん」（浅江あさなえ中ちゅう、浅江あさなえ小しょう）の5校こうを、それぞれ施設しせつ一体いったい型がたの小中しょうちゅう一貫いっかん校こうに順次じゅんじ整備せいびする。全域ぜんいきで整備せいびが終おわるのは2042年度ねんどごろの見通みとおし。

Vocabulary

Grammar and Sentence Structure

1. Sentence: にもかかわらず、4小の統合を先行させるのはなぜか。

   • Explanation:
     • Grammatical points: にもかかわらず (despite, nevertheless), 先行させる (to prioritize, to proceed with)
     • Structure: This sentence is a question asking why the integration of the four elementary schools is being prioritized despite certain circumstances.

2. Sentence: 市教委によると当初は新校舎の完成を待って小中を一度に統合する方向で計画が進められていた。

   • Explanation:
     • Grammatical points: によると (according to), 当初は (initially), 待って (to wait), 一度に (at once), 統合する (to integrate)
     • Structure: This sentence explains that initially, the plan was to integrate the elementary and junior high schools at once after the completion of the new school building, according to the city’s board of education.

3. Sentence: 今後、茶の木を伐採して県に土地を返すという。

   • Explanation:
     • Grammatical points: 今後 (from now on, in the future), 伐採して (to cut down), 地に土地を返す (to return the land to the prefecture)
     • Structure: This sentence indicates a future action of cutting down the tea trees and returning the land to the prefecture.

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