毎朝日

10年で犠牲者10人以上、水の事故集中エリアが7カ所 1万件分析

美濃橋付近の長良川河川敷=6月6日、岐阜県美濃市
美濃橋付近の長良川河川敷=6月6日、岐阜県美濃市

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事故で、10年間ねんかん死亡しぼう行方ゆくえ不明ふめいになったひとが10にん以上いた場所ばしょ全国ぜんこくに7カ所かしょ、5にん以上だと47カ所かしょあったことが、海上かいじょう保安ほあんちょう河川かせん財団ざいだんがまとめたデータでーた分析ぶんせきからわかった。みず事故じこによる犠牲者ぎせいしゃねん700にん前後ぜんご推移すいいしている。専門家せんもんかは「みず事故じここわさは、いつもは安全あんぜん場所ばしょが、風向かざむきしお満ちみちきによって急変きゅうへんすることにある」と指摘してくする。

警察庁けいさつちょうによると、2023ねんにはみず事故じこで743にん犠牲ぎせいになった。

朝日新聞あさひしんぶんは、海上保安庁かいじょうほあんちょう河川財団かせんざいだんから、13~22ねん発生はっせいしたやく1まんけん事故じこデータでーた提供ていきょうけて分析ぶんせき発生はっせい場所ばしょ緯度いど経度けいどから、東北大とうほくだい中谷友樹なかたにともき教授きょうじゅ監修かんしゅうのもと、地理情報ちりじょうほう分野ぶんやでよく使つかわれている手法しゅほうもちいて、犠牲者ぎせいしゃ集中しゅうちゅうしている場所ばしょさがした。

その結果けっか静岡県しずおかけん伊豆半島いずはんとうにあるしろざき海岸かいがんで17にん沖縄県おきなわけん恩納村おんなそん真栄田岬まえだみさきで13にん千葉県ちばけん船橋市ふなばししの「ふなばし三番瀬さんばんせ海浜かいひん公園こうえん周辺しゅうへんで11にん犠牲者ぎせいしゃていた。そのつぎ淡水たんすい事故じこつづき、滋賀県しがけん大津市おおつし琵琶湖びわこ西岸にしがんで11にん岐阜県ぎふけん美濃市みのし長良川ながらがわで10にん犠牲ぎせいになっていた。

長良川ながらがわ犠牲者ぎせいしゃ集中しゅうちゅうしていたのは、美濃橋みのはしちかくだった。河川敷かせんしきがあり、夏場なつばには県内外けんないがいからバーベキューばーべきゅーたのしむ人々ひとびとおとずれる。

インドネシアいんどねしあから技能実習ぎのうじっしゅうに来ているレズキ・フェブリアントれずき・ふぇぶりあんとさん(27)は昨年さくねん8がつ、ここで、おぼれていた女性じょせい2にんたすけた。

たすけてたすけて!」

さけいていてけるけると、20さいくらいの女性じょせいが2にんパニックぱにっくになりながらながされていた。2にんともライフジャケットらいふじゃけっとを着ていたが、あたま下流かりゅうがわになり、水流すいりゅう身体からだこせないらしい。

たすおどろた。水深すいしんは、ひざひざしたくらいしかなかった。

はじふざけふざけているのかとおもったが、おびえきったおびえきった表情ひょうじょうで、ただごとではなかった。勤務先きんむさきからは、このあたでは絶対ぜったいおよなとわれていた。もっとふか場所ばしょだったらたすけられなかった

その後、地元じもと警察署けいさつしょから感謝状かんしゃじょうおくられた。

水難すいなん学会理事りじ長岡ながおか技術ぎじゅつ科学かがくだい斎藤さいとう秀俊ひでとし教授きょうじゅは「みず事故じこは、たとえばえばこのみさきでは北西ほくせいかぜくと離岸流りがんりゅう発生はっせいしやすいなど、場所ばしょごとの条件じょうけんはんしたように発生はっせいする。浮輪うきわライフジャケットじゃけっとけるような対策たいさくだけでなく、場所ばしょごとの特性とくせいをよく調しらべておくことが大切たいせつだ」とはなす。(山崎やまざき啓介けいすけ日高ひだか奈緒なお

Vocabulary

Word (Furigana)JLPT LevelPart of SpeechMeaning
死亡 (しぼう)N3Noundeath
行方不明 (ゆくえふめい)N2Nounmissing
まとめるN3Verb (る)to summarize
分析 (ぶんせき)N2Nounanalysis
推移 (すいい)N1Nountrend
怖い (こわい)N4い-adjectivescary
安全 (あんぜん)N4Nounsafety
風向き (かざむき)N1Nounwind direction
(しお)N3Nountide
満ち引き (みちびき)N1Nounebb and flow
急変 (きゅうへん)N1Nounsudden change
指摘 (してき)N1Nounpointing out
犠牲者 (ぎせいしゃ)N2Nounvictim
年前後 (ねんぜんご)N1Nounaround the year
専門家 (せんもんか)N2Nounexpert
事故 (じこ)N4Nounaccident
怖さ (こわさ)N2Nounscariness
安全な (あんぜんな)N3な-adjectivesafe
急変する (きゅうへんする)N1Verb (する)to suddenly change
指摘する (してきする)N1Verb (する)to point out
犠牲になる (ぎせいになる)N2Verb (なる)to become a victim
提供する (ていきょうする)N2Verb (する)to provide
監修 (かんしゅう)N1Nounsupervision
集中する (しゅうちゅうする)N2Verb (する)to concentrate
(つぎ)N4Nounnext
続く (つづく)N4Verb (う-verb)to continue
犠牲になる (ぎせいになる)N2Verb (なる)to become a victim
河川敷 (かせんしき)N1Nounriverbank
訪れる (おとずれる)N3Verb (る)to visit
助ける (たすける)N4Verb (る)to help
流される (ながされる)N2Verb (る)to be swept away

Grammar and Sentence Structure

  • Sentence 1:

    • Explanation of grammatical points: The sentence contains the passive form of the verb “まとめる” (to summarize) in the past tense, indicating that the data was summarized by the Japan Coast Guard and the River Foundation.
    • Explanation of the structure: The sentence structure is as follows: “海上保安庁と河川財団がまとめたデータの分析からわかった。”
      • Subject: 海上保安庁と河川財団 (Japan Coast Guard and River Foundation)
      • Verb: まとめた (summarized)
      • Object: データ (data)
      • Particle: の (of)
      • Dependent clause: 分析から (from the analysis)
  • Sentence 2:

    • Explanation of grammatical points: The sentence includes the causative form of the verb “指摘する” (to point out) in the present tense, indicating that experts are pointing out the fear of accidents caused by water.
    • Explanation of the structure: The sentence structure is as follows: “専門家は「水の事故の怖さは、いつもは安全な場所が、風向きや潮の満ち引きによって急変することにある」と指摘する。”
      • Subject: 専門家 (experts)
      • Verb: 指摘する (to point out) - in causative form
      • Quotation: 「水の事故の怖さは、いつもは安全な場所が、風向きや潮の満ち引きによって急変することにある」 (The fear of accidents caused by water lies in the fact that normally safe places can suddenly change due to wind direction and tide changes.)
  • Sentence 3:

    • Explanation of grammatical points: The sentence uses the causative-passive form of the verb “集中する” (to concentrate) in the past tense, indicating that victims were concentrated in certain locations.
    • Explanation of the structure: The sentence structure is as follows: “その結果、静岡県の伊豆半島にある城ケ崎海岸で17人、沖縄県恩納村の真栄田岬で13人、千葉県船橋市の「ふなばし三番瀬海浜公園」周辺で11人の犠牲者が出ていた。”
      • Subject: 犠牲者 (victims)
      • Verb: 出ていた (were present) - in causative-passive form
      • Locations: 静岡県の伊豆半島にある城ケ崎海岸で17人、沖縄県恩納村の真栄田岬で13人、千葉県船橋市の「ふなばし三番瀬海浜公園」周辺で11人 (17 people at Jogasaki Coast in Izu Peninsula, 13 people at Maeda Misaki in Onna Village, Okinawa, and 11 people around Funabashi Sanbanze Seaside Park in Funabashi City, Chiba Prefecture).

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