星稜が32年ぶりに神宮大会V　テーマは「自分たちで考える野球」

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（20日にち、明治めいじ神宮じんぐう大会たいかい決勝けっしょう 星稜せいりょう《石川いしかわ・北信越ほくしんえつ》3―1作新学院さくしんがくいん《栃木とちぎ・関東かんとう》）

星稜ほしのりょうの選手せんしゅはスイングすいんぐに迷まよいがない。選手せんしゅ自身じしんで考かんがえ、狙ねらいを明確めいかくにしているからだ。

1―1の八回はちかい。2番手ばんての横手よこて右腕みぎうで、石毛いしげの独特どくとくな球筋きゅうきんに苦くるしみ、七回しちかいは三者さんしゃ凡退ぼんたいだった。「（左打者ひだりだしゃの）内角うちかくに入はいる緩ゆるいスライダーすらいだーがある」。凡退ぼんたいした打者だしゃが情報じょうほうを共有きょうゆうし、この回まわの攻撃こうげきに入はいった。

1死し一塁いちるいから、左打者だしゃの中谷なかたに（2年ねん）がバスターばすたーからの右前ぜん安打あんだと盗塁とうるいで二、三塁るいに。同じく左で3番ばんの主将しゅしょう、芦硲あしさこ（あしさこあしさこ、2年ねん）は2球きゅう目、イメージしていたスライダーすらいだーを引ひっ張ぱる。強烈きょうれつな打球だきゅうが一塁手いちるいしゅのミットみっとをはじき、決勝けっしょうの2点てん適時てきじ打だになった。

中高ちゅうこう一貫いっかんの星稜せいりょう中ちゅう軟式なんしき部ぶで全国ぜんこく制覇せいはした世代せだいで、潜在せんざい能力のうりょくは高たかい。ただ、今夏こんかの全国ぜんこく選手権せんしゅけんでは創成そうせい館かん（長崎ながさき）に敗やぶれ、2年ねん連続れんぞくの初戦しょせん敗退はいたい。「全国ぜんこくでは勝かてないことが証明しょうめいされてしまった。今いままでのやり方かたじゃだめだ」と芦硲あしばが語かたるように、危機感ききかんとともに新しんチームちーむが始動しどうした。

秋のの県けん大会たいかいと北信越ほくしんえつ大会たいかいを制せいし、甲子園こうしえんでの優勝ゆうしょうを見据みすえる。山下やました監督かんとくは全国ぜんこくの強豪きょうごうと戦たたかえる今大会こんかいを好機こうきととらえ、「自分じぶんたちで考かんがえる野球やきゅう」をテーマてーまに据すえた。

毎試合しあいの前夜ぜんや、選手せんしゅだけでミーティングみーてぃんぐを開ひらいた。宿舎しゅくしゃの2人にん部屋へやにメンバーめんばー十数すう人にんが集あつまり、iPadで対戦相手たいせんあいての映像えいぞうを見みながら意見いけんを出だし合あった。1回戦かいせんは広陵こうりょうの好こう投手とうしゅ高尾たかお（2年ねん）を「ピンチぴんちで球きゅうが浮うくから狙ねらおう」と分析ぶんせきし、7得点とくてんで六回ろくかいKO。「自分じぶんたちで考かんがえた方ほうが気持きもちも入はいりやすい」と4番ばんの萩原はぎはら（2年ねん）は言いった。

山下監督やましたかんとくは誇ほこらしげに言いう。「不安ふあんもあったあったけれど、彼かれらの向上心しょうじょうしんと謙虚けんきょな姿勢しせいがあれば、できるあれば、できると思おもって試ためした。大会たいかい前まえとは違ちがうチームちーむになれたなれた」（大宮慎次朗おおみやしんじろう）

Vocabulary

Grammar and Sentence Structure

• “1―1の八回。2番手の横手右腕、石毛の独特な球筋に苦しみ、七回は三者凡退だった。”

  1. This sentence includes the nominalizer の, which is used to turn the preceding clause into a noun phrase. It also uses the 連体形 (れんたいけい) or attributive form of the verb 苦しむ (くるしむ) to modify the noun 独特な球筋 (どくとくなきゅうすじ).
  2. The structure of the sentence is: [1―1の八回]。[2番手の横手右腕、石毛の独特な球筋に苦しみ、七回は三者凡退だった]。The first part sets the time and situation, and the second part describes the struggle with the unique pitching style of Ishige, the second pitcher, in the seventh inning.

• “1死一塁から、左打者の中谷（2年）がバスターからの右前安打と盗塁で二、三塁に。”

  1. This sentence uses the から particle to indicate the starting point of an action or event. It also includes the の particle to indicate possession or association.
  2. The structure of the sentence is: [1死一塁から]、[左打者の中谷（2年）がバスターからの右前安打と盗塁で二、三塁に]。It describes the sequence of events starting from one out and a runner on first base, where Nakatani, a left-handed batter, hits a right-field single from a bunt and steals second and third base.

• “中高一貫の星稜中軟式部で全国制覇した世代で、潜在能力は高い。”

  1. This sentence uses the で particle to indicate the location or means of an action. It also includes the で particle to indicate a range or extent.
  2. The structure of the sentence is: [中高一貫の星稜中軟式部で全国制覇した世代で]、[潜在能力は高い]。It describes the generation that achieved national domination at the Seiryo Junior High School and High School’s softball club, emphasizing their high potential.

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