毎朝日

宝塚歌劇団、パワハラ認めて謝罪 劇団員死亡問題で遺族側と合意

会見の冒頭で頭をさげる阪急電鉄の嶋田泰夫社長(中央)ら=2024年3月28日午後4時2分、大阪府豊中市、白井伸洋撮影
会見の冒頭で頭をさげる阪急電鉄の嶋田泰夫社長(中央)ら=2024年3月28日午後4時2分、大阪府豊中市、白井伸洋撮影

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宝塚歌劇団たからづかかげきだん兵庫県宝塚市ひょうごけんたからづかし)の劇団員げきだんいん(25)の女性じょせい昨年さくねん死亡しぼうした問題もんだいで、歌劇団かげきだん運営うんえいする阪急電鉄はんきゅうでんてつ親会社おやがいしゃである阪急阪神ホールディングスはんきゅうはんしんほーるでぃんぐす(HD)と歌劇団かげきだんが28にち大阪府おおさかふ豊中市とよなかしホテルほてる緊急きんきゅう記者会見きしゃかいけんし、歌劇団かげきだん上級生じょうきゅうせい先輩せんぱい劇団員げきだんいん)らによるパワーハラスメントぱわーはらすめんと認めみとめ謝罪しゃざいすることで遺族側いぞくがわ合意ごういした、と発表はっぴょうした。

希望きぼうって入団にゅうだんされたご本人ほんにんやご遺族いぞく皆様みなさまに、かえしのつかないつかないことをしてしまった。もうひらきのしようもございません」。冒頭ぼうとう阪急はんきゅう阪神はんしんHDの嶋田泰夫しまだやすお社長しゃちょうあたまげ、謝罪しゃざいした。会見かいけんには大塚順一おおつかじゅんいち執行役員しっこうやくいん歌劇団かげきだん村上浩爾むらかみひろし理事長りじちょう出席しゅっせきし、あたまげた。

歌劇団かげきだんは当初、上級生じょうきゅうせいらのパワハラぱわはらやいじめは「確認かくにんできなかった」としていた。嶋田しまだ社長しゃちょう会見かいけんで、遺族いぞくとの協議きょうぎかさねていくなかで、調査ちょうさ報告書ほうこくしょだけでなく、提供ていきょうされた様々さまざま資料しりょうについても検討けんとうし、「ハラスメントはらすめんとにあたることもあるという気付きづきが劇団員げきだんいんにもなく、そして我々われわれなによりもそれをおしえてもいなかったことをあらためて認識にんしきした」と謝罪しゃざい。「こういった環境かんきょうや、組織そしき風土ふうど時代じだいわせてえてこなかったのは、まさに劇団げきだん。その責任せきにんきわめておもい」とはなした。

また、女性の死亡しぼうパワハラぱわはら因果関係いんがかんけいについては、「原因げんいんひとつに特定とくていすることはむずかしい」としたうえで、公演こうえんスケジュールすけじゅーる過密かみつになり過重かじゅう負担ふたんしょうじさせた▽劇団げきだんないパワーハラスメントぱわーはらすめんと該当がいとうする行為こういがあった▽長年ながねんにわたりに劇団げきだんいん様々さまざま負担ふたんいるような運営うんえいつづけてきたこと――などを理由りゆうげた。

女性じょせい昨年さくねん9がつ宝塚たからづか自宅じたくマンションまんしょん敷地しきちないたおれてくなっているところを発見はっけんされた。兵庫ひょうごけんけい自殺じさつ可能性かのうせいたかいとみている。

女性じょせい死亡しぼうをめぐっては、歌劇団かげきだん昨年さくねん11がつ外部がいぶ弁護士べんごしによる調査ちょうさ報告書ほうこくしょ発表はっぴょう。「精神せいしん障害しょうがいおここしても不思議ふしぎではない程度ていど心理的しんりてき負担ふたんがあった可能性かのうせい否定ひていできない」として長時間ちょうじかんおよ活動かつどうなどの管理かんり責任せきにんみとめたが、上級生じょうきゅうせいによるパワハラぱわはら確認かくにんできなかったとしていた。

その後、遺族いぞくがわ代理人だいりにん弁護士べんごし歌劇団かげきだんがわ代理人だいりにん面談めんだん開始かいし遺族いぞくがわ上級生じょうきゅうせいらによるおもに15のパワハラぱわはら行為こういがあったとの見解けんかいしめし、歌劇団かげきだんパワハラぱわはらみとめるようもとめる意見書いけんしょ提出ていしゅつした。

遺族いぞくがわ代理人だいりにん弁護士べんごし今年ことし2がつひらいた記者きしゃ会見かいけんで、交渉こうしょう経過けいか報告ほうこく劇団げきだんがわ長時間ちょうじかん労働ろうどうして過大かだい要求ようきゅうをしたてんなど、半数はんすうほどはパワハラぱわはらとほぼみとめた一方いっぽう上級生じょうきゅうせい威圧的いあつてき言動げんどうなどについては否定ひていしていると説明せつめいした。遺族いぞくがわ上級生じょうきゅうせい言い分いいぶんにかかわらず、事実じじつもとづく謝罪しゃざい内容ないよう書面しょめん特定とくていし、合意書ごういしょ記載きさいすべきだと主張しゅちょうしていた。(田部たべまな河合かわい真美江まみえ

Vocabulary

Word (Reading)JLPT LevelPart of SpeechMeaning
運営する (うんえいする)N3Verbto manage, to operate
親会社 (おやがいしゃ)N2Nounparent company
合意する (ごういする)N3Verbto agree, to consent
発表する (はっぴょうする)N3Verbto announce, to present
謝罪する (しゃざいする)N2Verbto apologize
認める (みとめる)N3Verbto admit, to recognize
申し開き (もうしびらき)N1Nounexplanation, apology
重ねる (かさねる)N2Verbto pile up, to accumulate
検討する (けんとうする)N2Verbto consider, to examine
気付き (きづき)N1Nounrealization, awareness
認識する (にんしきする)N2Verbto recognize, to acknowledge
責任 (せきにん)N2Nounresponsibility
環境 (かんきょう)N3Nounenvironment, circumstances
組織風土 (そしきふうど)N1Nounorganizational culture
時代 (じだい)N3Nounera, period
適する (てきする)N2Verbto be suitable, to be appropriate
難しい (むずかしい)N4Adjectivedifficult
過密 (かみつ)N1Nounovercrowding, congestion
過重 (かじゅう)N1Nounexcessive burden
引き起こす (ひきおこす)N2Verbto cause, to bring about
理由 (りゆう)N3Nounreason, explanation
発見する (はっけんする)N3Verbto discover, to find
自殺 (じさつ)N2Nounsuicide
可能性 (かのうせい)N2Nounpossibility, likelihood
精神障害 (せいしんしょうがい)N1Nounmental disorder
負担 (ふたん)N2Nounburden, load
管理責任 (かんりせきにん)N1Nounmanagement responsibility
面談 (めんだん)N2Nouninterview, discussion
威圧的 (いあつてき)N1Adjectiveintimidating, coercive
説明する (せつめいする)N3Verbto explain
特定する (とくていする)N2Verbto specify, to identify

Grammar and Sentence Structure

  • Sentence 1:

    • Explanation of grammatical points: The sentence uses the causative form of the verb “認める” (to admit/acknowledge) in its potential form “認められる” to indicate the passive voice.
    • Explanation of the structure: The sentence structure is as follows: “歌劇団の上級生(先輩劇団員)らによるパワーハラスメントを認め、謝罪することで遺族側と合意した”. Here, the subject is “歌劇団” (the theater company), followed by the indirect object marker “の” and the noun phrase “上級生(先輩劇団員)ら” (senior members of the theater company). The verb phrase “による” indicates the action of the senior members causing the following noun “パワーハラスメント” (power harassment). The causative form “認め” (to admit/acknowledge) is used, followed by the conjunction “、” (and), and the verb “謝罪する” (to apologize). The clause ends with the phrase “ことで” (by doing), followed by the noun “遺族側” (bereaved family) and the verb “と合意した” (reached an agreement).
  • Sentence 2:

    • Explanation of grammatical points: The sentence uses the potential form of the verb “認識する” (to recognize) in its negative form “認識しなかった” to indicate the past tense and negative aspect.
    • Explanation of the structure: The sentence structure is as follows: “ハラスメントにあたることもあるという気付きが劇団員にもなく、そして我々が何よりもそれを教えてもいなかったことを改めて認識した”. The subject is “我々” (we), followed by the topic marker “が” and the adverb “何よりも” (above all). The verb phrase “それを教えてもいなかった” (did not teach that) indicates the action of not teaching something. The conjunction “ことを” is used to nominalize the verb phrase, followed by the adverb “改めて” (once again) and the verb “認識した” (recognized).
  • Sentence 3:

    • Explanation of grammatical points: The sentence uses the causative form of the verb “強いる” (to force/impose) in its potential form “強いる” to indicate the passive voice.
    • Explanation of the structure: The sentence structure is as follows: “長年にわたりに劇団員に様々な負担を強いるような運営を続けてきたこと”. Here, the subject is “運営” (management), followed by the topic marker “を” and the verb phrase “続けてきた” (have continued). The adverbial phrase “長年にわたり” (over many years) modifies the verb phrase. The indirect object marker “に” is used before the noun phrase “劇団員” (theater company members). The verb “強いる” (to force/impose) is in its causative form, indicating that the management has been imposing various burdens on the theater company members.

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