春の恒例4オケ、来年は「関西6オケ」に 大阪国際フェス、4月開幕

「第62回大阪国際フェスティバル2024」(朝日新聞文化財団、朝日新聞社、フェスティバルホールなど主催)が、来年4月に開幕する。在阪の四つのオーケストラが集う春の恒例「4オケ」は、兵庫芸術文化センター管弦楽団と京都市交響楽団が加わり、「関西6オケ」に。それぞれの指揮者が意気込みを語る。(田部愛)
今年初めて参加した4オケ。大阪交響楽団と先駆けを務めて、その後は客席で聴きました。演奏はそれぞれ素晴らしいものでしたが、何よりも客席の熱狂が素晴らしかった。こんなお客さまに恵まれた大阪で演奏できることは何と幸せなことか。さて次回は6オケ。楽しみです。
大阪4オケが拡大して6オケになる!すごい企画を実行してしまう大阪はやはりすごい街だ!僕はNHK交響楽団研究員時代に、岩城宏之さんの副指揮でN響の練習をしたのが、「エニグマ変奏曲」との出会いだ。今回は岩城さんに捧げるつもりで演奏しようかな?
関西でこれだけ充実したオーケストラの数々が活動を続けているのは、誇るべきだと思います。それが一堂に会することで、それぞれの個性を楽しめる。とても素敵なことです。老舗のオーケストラと若いオーケストラが集うのは、互いに刺激にもなると思います。
兵庫芸術文化センター管弦楽団(PAC)の持ち味は、若さと国際色の豊かさ。その持ち味を生かした機能性を感じていただける曲を選びました。
シンフォニア・ダ・レクイエムはそれぞれの楽器がコンチェルトのように大活躍します。激しく始まり、最後は美しい祈りに変化していきます。この曲の前にふさわしいと考え、カントゥスを選びました。不思議な曲ですが、初めて聴く方はきっときれいだと思ってくださるはずです。これらの作品を通して、オーケストラならではの多彩な表現をお客様に楽しんでいただければと思います。
4オケがなんと6オケに更にスケールアップしてびっくり!これまで何度も取り上げてきた僕の最も愛する交響曲、シベリウスの5番をお届けいたします。母国フィンランドのロシア支配からの独立や、死を覚悟していた病の完治の喜び、大自然への賛歌!関西フィルの魅力をお客様に堪能して頂きます!
今回演奏するドビュッシー「海」は私の母が好きだった作品で、また、大学時代フランスの名指揮者ジャン・フルネ先生から貴重な教えを受け、指揮者として一番大切にしている作品の一つです。「ハイドンマラソン」で培った美しい音色を持つセンチュリー響の演奏でぜひお楽しみください。
以前までの4オケの話を聞き「大阪で面白いことをやっているな」と思っていたので、まさか京都も参加させていただけるなんてうれしい驚きでした。他のオーケストラがどんな音を出すのか興味がありますし、京都市交響楽団(京響)がどんな影響を受けるか楽しみです。
京響は4管編成で、大編成のオーケストラならではのドライブ感や音響の幅が強みです。「ロメオとジュリエット」のドラマを音で描く際に、京響の豊かなサウンドと高い技術によって素晴らしい演奏になると確信しています。
もちろん「モンタギュー家とキャピュレット家」などの曲ははずせませんが、家族同士の闘争以上に、ロメオとジュリエットの微妙な気持ちの変化やジュリエットが成長していく姿に焦点をあて、濃厚でロマンチックなセレクションにしようと考えています。
今年4月、関西フィルハーモニー管弦楽団の首席客演指揮者に就任した鈴木優人(まさと)。来年6月の大阪国際フェスティバルで関西フィルを率い、アルゼンチンタンゴの巨匠でバンドネオン奏者のアストル・ピアソラとバロックの名匠ビバルディ、20世紀を代表するロシア出身の作曲家ストラビンスキーの楽曲を取り上げる。
鈴木は大学時代にピアソラに傾倒し、いまも時々、仲間とライブハウスで演奏するほど好きだという。この公演のために、ピアソラの「ブエノスアイレスの四季」とビバルディの「四季」を組み合わせてオーケストラ版に編曲して演奏する。バンドネオンの三浦一馬、バイオリンの成田達輝も出演する。
後半は、ストラビンスキーの「春の祭典」を披露する。
2013年4月、大阪フィルハーモニー交響楽団がマーラーの「復活」で新フェスティバルホールの開館を祝った。以来、年10回の定期演奏会をこのホールで開催し、数々の名演を送り出してきた。
そして2024年8月。3代目音楽監督・尾高忠明が率いる大フィルが、大阪国際フェスティバルで再びホールに「復活」を響かせる。世界で紛争が続くなか、平穏な日常が戻ることを願い、森谷真理(ソプラノ)、加納悦子(メゾソプラノ)、大阪フィルハーモニー合唱団約150人の歌声とともに演奏する。
◇会場:フェスティバルホール(大阪・中之島)
◇主催:朝日新聞文化財団、朝日新聞社、フェスティバルホールほか
◇チケットはフェスティバルホール(06・6231・2221、https://www.festivalhall.jp)ほか主要プレイガイドで販売
Vocabulary
| Word (Furigana) | JLPT Level | Part of Speech | Meaning | 
|---|---|---|---|
| 開幕 (かいまく) | N2 | Noun | opening, commencement | 
| 集う (つどう) | N2 | Verb | to gather, to assemble | 
| 恒例 (こうれい) | N2 | Noun | annual, customary | 
| 指揮者 (しきしゃ) | N2 | Noun | conductor | 
| 意気込み (いきごみ) | N2 | Noun | enthusiasm, eagerness | 
| 初めて (はじめて) | N4 | Adverb | for the first time | 
| 参加 (さんか) | N3 | Noun | participation | 
| 先駆け (さきがけ) | N1 | Noun | forerunner, pioneer | 
| 聴く (きく) | N4 | Verb | to listen | 
| 熱狂 (ねっきょう) | N1 | Noun | enthusiasm, ecstasy | 
| 恵まれる (めぐまれる) | N2 | Verb | to be blessed with, to be fortunate | 
| 拡大 (かくだい) | N2 | Noun | expansion, enlargement | 
| 実行 (じっこう) | N2 | Noun | execution, implementation | 
| 研究員 (けんきゅういん) | N1 | Noun | researcher | 
| 副指揮 (ふくしき) | N1 | Noun | assistant conductor | 
| 指揮 (しき) | N3 | Noun | conducting, baton | 
| 練習 (れんしゅう) | N4 | Noun | practice, training | 
| 出会い (であい) | N4 | Noun | encounter, meeting | 
| 持ち味 (もちあじ) | N1 | Noun | characteristic, charm | 
| 感じる (かんじる) | N4 | Verb | to feel, to sense | 
| 選ぶ (えらぶ) | N4 | Verb | to choose, to select | 
| 活躍 (かつやく) | N2 | Noun | activity, active service | 
| 変化 (へんか) | N4 | Noun | change, transformation | 
| 考える (かんがえる) | N4 | Verb | to think, to consider | 
| 更に (さらに) | N3 | Adverb | furthermore, additionally | 
| スケールアップ (すけーるあっぷ) | N/A | Noun | scale-up | 
| 取り上げる (とりあげる) | N3 | Verb | to take up, to pick up | 
| 愛する (あいする) | N2 | Verb | to love, to cherish | 
| 堪能 (たんのう) | N1 | Verb | to enjoy, to appreciate | 
| 披露 (ひろう) | N2 | Noun | presentation, exhibition | 
Grammar and Sentence Structure
「今年初めて参加した4オケ。大阪交響楽団と先駆けを務めて、その後は客席で聴きました。演奏はそれぞれ素晴らしいものでしたが、何よりも客席の熱狂が素晴らしかった。」
- Explanation:
- This sentence uses the particle “を” to mark the direct object of the verb “聴く” (to listen).
 - The structure of the sentence is: [Noun + と + 先駆けを務めて、その後は + Noun + で + Verb phrase]
 - The verb phrase “聴きました” (listened) is connected to the noun “客席” (audience seats) with the particle “で” indicating the location of the action.
 
 
- Explanation:
 「大阪4オケが拡大して6オケになる!すごい企画を実行してしまう大阪はやはりすごい街だ!」
- Explanation:
- This sentence uses the causative form of the verb “実行する” (to execute) in the form “実行してしまう” to express the speaker’s surprise or admiration for the action.
 - The structure of the sentence is: [Noun + が + Verb phrase + してしまう + Noun + は + やはり + Adjective + Noun + だ]
 - The particle “が” marks the subject, and “は” is used to emphasize the topic.
 
 
- Explanation:
 「京響は4管編成で、大編成のオーケストラならではのドライブ感や音響の幅が強みです。」
- Explanation:
- This sentence uses the phrase “ならでは” to express the unique characteristic of something that is specific to a certain type or category.
 - The structure of the sentence is: [Noun + ならではの + Noun + が + Adjective + です]
 - The phrase “ならでは” is used to connect the noun “大編成のオーケストラ” (large orchestra) to the unique characteristics described by the adjectives “ドライブ感” (sense of drive) and “音響の幅” (acoustic range).
 
 
- Explanation:
 
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