東京マラソンで西山雄介はパリに届かず涙　遅い中、レース動かせず

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（東京マラソンとうきょうまらそん 3日にち、東京都庁とうきょうとちょうー東京駅とうきょうえき前まえ）

西山雄にしやまゆうは懸命けんめいに腕うでを振ふっていた。ゴールごーるまで残のこり300メートルめーとる付近ふきん。フィニッシュふぃにっしゅ地点ちてんの時計とけいが2時間じかん5分ふん51秒びょうを示しめした。この瞬間しゅんかん、パリぱりへの道みちは閉ざとざされた。

顔かおを覆おおう。「五輪ごりんに行いきたかった。ただそれだけです……」。あふれるあふれる涙なみだを抑おさえきれなかった。

代表だいひょう枠わく獲得かくとくの自信じしんはあった。「設定せってい記録きろくを突破とっぱするだけの練習れんしゅうは積つめた」。だが、レースれーす中、想定そうてい外がいの事態じたいに対応たいおうできなかった。

ペースメーカーぺーすめーかー（PM）の走はしりが安定あんていしない。下りが続つづき「貯金ちょきん」できるはずの最初さいしょの5キロきろは、設定せっていより10秒びょうほど遅おそいタイムたいむで通過つうか。19キロきろ過すぎには複数ふくすう人にんの転倒てんとうに巻まき込こまれた。中間点ちゅうかんてん（ハーフはーふ）でも設定せってい記録きろくを切きれるか微妙びみょうなペースぺーすで進すすんだ。

こうした状況じょうきょうなら、勇気ゆうきを出だしてレースれーすを動うごかせばいい。大阪おおさか国際こくさい女子じょしでは前田まえだ穂南ほなんが21キロきろ付近でPMを置おき去さりにして仕掛しかけ、日本にほん記録きろくを更新こうしんした。

西山雄にしやまゆうは「PMが思おもったよりも遅おそかった」と感かんじつつ、「後半こうはんに攻せめる走はしりをすれば（設定せってい記録きろくを）切きれる」と仕掛しかけなかった。30キロきろまでPM頼たより。その後あと、劇げき的にタイムたいむを縮ちぢめるだけの力ちからは残のこっていなかった。日本にほん陸連りくれんの瀬古利彦せことしひこロードランニングろーどらんにんぐコミッションリーダーこみっしょんりーだーは「五輪ごりんへのプレッシャーぷれっしゃーなのかな」と嘆なげき、高岡寿成たかおかとしなりシニアディレクターしにあでぃれくたーも「レースれーすは生なまもの。その中なかでどう対応たいおうするか」。

世界との差さは開ひらくばかりだ。五輪代表だいひょう3人にんには、本番ほんばんではわくわくわくわくするような攻せめる走はしりを期待きたいしたい。（辻つじ隆たか徳のり）

Vocabulary

Grammar and Sentence Structure

• 「代表枠獲得の自信はあった。」

  1. Grammatical points: This sentence includes the noun “代表枠” (representative slot) followed by the verb “獲得” (to obtain) in the form of a noun modifier. The particle “の” is used to connect the two nouns.
  2. Structure: Subject + 代表枠獲得の + 自信 + は + あった。

• 「設定より10秒ほど遅いタイムで通過。」

  1. Grammatical points: This sentence describes passing through with a time that is about 10 seconds slower than the set time. It uses the comparative form “より” (than) to indicate the comparison.
  2. Structure: 設定 + より + 10秒ほど + 遅い + タイム + で + 通過。

• 「PM頼り。」

  1. Grammatical points: This sentence is a short form that conveys the idea of relying on the pacemaker (PM). It omits the subject and verb for brevity.
  2. Structure: PM + 頼り。

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